「英語がわかればフランス語はできる!」・・・というタイトルの本もあるくらいですが(ちなみに私が愛用している様々な参考書の著者である、久松先生の本です)、実際どうなんでしょうか。
私の見解:ずばり一理あると思います。
私は仏語を学習し始める前は、仕事でも英語を使い、英会話も不自由なく?(ネイティブからしたらおかしい所はあったかと・・・)出来るくらいにはなっていました。フランス語を学ぶ前のTOEICスコアは810点・英検準1級でした。
英語はゲルマン系、フランス語はラテン系の言語で、言語学的なファミリーとしては別々の言語ですが、中世の「ノルマン・コンクエスト」の影響で、英語はフランス語の影響を非常に強く受けており、確かに似ている部分が多くあります。
英語ネイティブが仏語を学ぶと、ものすごいペラペラに
フランスの語学学校ではアメリカ人の友人がいて、何故か気が合いとても仲良くしてもらっていました。英語ネイティブの生徒は、ヨーロッパから来ている生徒達に比べたら少なかったですが、だいたいクラスに一人位はいる感じです。
そのアメリカ人の友。驚くべき速さで仏語が上達していっていました。それも、渡仏前に初めて2ヶ月仏語を勉強しただけ、という学習時間の少なさで・・・。本人が勉強熱心だったことも、もちろんあると思います。
また、英単語の4割は仏単語から来ている、と言われるくらいに、単語も似ています。単純に言えば、日本人が10調べなければわからないフランス語の単語を、英語ネイティブなら6で済む、ということになります。
しかも、専門用語や難しい単語ほど、英単語も仏単語も似ている率が高い。つまり、初級~中級単語を覚えたあとは、辞書はほぼいらない、という、日本人仏語学習者にはありえないレベルに到達できることになります。こいつは英語ネイティブには太刀打ち出来ません。
では、日本語ネイティブで英語を身につけた人はどうでしょう?
英語がそれなりにOKな日本人が仏語を学ぶと・・・
私の場合、確かに英語の知識は役に立っているとは感じます。未だに仏語より英語の方が出来るかなと感じられる時もあります。
渡仏前は独学で仏検3級まで取得しましたが、実際フランスに到着してみると、全くと言っていいほど話せず、英語で会話しようとすらしていました。
しかしその後の努力の甲斐あり、なんとかniveau avancé(上級レベル)を修了。
具体的に英語の何が役に立っているかと言うと、以下の3点が挙げられると思います。
- 英文法や英単語がそれなりに頭に入っているので、仏文法や仏単語もある程度(3~4割位?)は「置き換え」で無理なく憶えることができた。
- 英語で考えられる習慣がついていたため、語順が似ているフランス語でも、頭の中で考えられるようになったのが多少早かったかもしれない。
- 英語を習得する為に取り組んだ様々な勉強法が、語学学習の自分なりのコツとなって仏語の勉強にも生かされた。
以上のうち、3番目の「英語を習得する為に取り組んだ様々な勉強法が、語学学習の自分なりのコツとなって仏語の勉強にも生かされた」というのは、結構大きいと思います。
一つ言語を習得すると、言語習得のコツがわかるので、2つ3つと話せるようになる人も結構多いです。
「英語が出来ればフランス語が出来る」というのは、「英語の知識が仏語にもある程度転化でき、更に語学習得のコツを既に得ているために上達が早い」ということではないかと、感じる次第です。
英語がわかればフランス語はできる!
- 駿河台出版社
- 著者 久松 健一
- 価格 ¥ 2,160
- 発売日 1999/5/1