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アリアンス・フランセーズでフランス語を習い始めて数か月後、はじめてカナダのケベック州を旅行した時の思い出です。
アリアンス・フランセーズ自体はフランスの機関なので、提供されていた授業は完全にスタンダードな「フランスのフランス語」でした。
多少フランス語がわかるようになった(気がしていただけですがw)から、ケベック州の旅行も余裕よ!などと思っていましたが・・・
「ケベック州のフランス語」はまったく違いました。そこではじめて出会うケベック州ならではのフランス語表現に、当時は驚いたものです。
ケベックのフランス語は「ケベコワ(le québécois)」と呼ばれます。※ケベック人もquébécois/eです
今回は、私が驚いたケベック州のフランス語エピソードなどを色々と紹介したいと思います!
Merci! への返事は Bienvenue!
ケベック州では、「どういたしまして」として「Bienvenue!」が使われます。スタンダードなフランス語での「ようこそ!」ですよね。
Merci! ありがとう!
Bienvenue! どういたしまして!
「どういたしまして」と返したい時は、フランスでは「Je vous en pris.(Je t’en pris.)」とか「Avec plaisir.」などと言いますよね。
ケベックの”どういたしまして”の「Bienvenue!」は、おそらく英語の「You’re welcome.」をフランス語に直したのでしょう。
フランスのフランス語しか知らないと、はじめて聞くと「え?」と若干びっくりしますが、これはお店でのやり取りで普通にある会話でもあるので、何度かこなせば結構慣れました。
おかしなフランス語?がいろいろある
ケベック独自に発展したフランス語単語、色々あります。たとえば「chien chaud」はその代表格。
ケベックの「Chien chaud」は、食べ物の「Hot Dog」(ホットドッグ)をフランス語に直訳した、独自のフランス語です。
Chien chaud : フランスのフランス語では「熱い犬」となってしまいますが、こんな言葉はフランスには存在しません。
(文法的には作れないことはないですが、日本語で「熱い犬」という言葉がおかしいように、フランスのフランス語でも実におかしな言葉です)
フランス本国では、この商品(ホットドッグ)は英語の「Hot Dog」をそのまま使って売られています。
ケベックの人は自分たちのフランス語文化を非常に大事にしていますよね。なるべく英語を使わないようにしているため、英語文化のものをフランス語に直して使っている例が非常に多いです。
ちなみに、英語をフランス語に直して使っている他の例としては、
- fin de semaine(フランスではweek-end)
- courrier électronique(フランスではe-mail)
などがあります。
田舎では英語は通じない・・・
モントリオールなどの大都市であれば、英語での会話はまったく問題ありません(もちろん、仏語で話す方が望ましいですが)。
当時、フランス語がまだカタコトだった私は、モントリオールやモン・トランブランなどの観光地などほぼすべての場所で英語を通しており、
なんだ、思ったほどフランス語じゃなくても、英語でいいじゃん
とすら感じ始めていました。
だがしかし。
ひとたび都市部を離れて小さな町「トロワ・リヴィエール(Trois-Rivières)」に立ち寄ったときのこと。
図書館でPCを使わせてもらおうと「パソコンで日本語タイピングできますか?」と英語で聞くと、受付の誰も、英語がまったくわからない・・・orz
当時はようやくiPhoneが誕生したころの時代。自分のスマホはおろか、自分のPCを持ち歩いての旅行など先の話で、旅先の図書館やネットカフェなどでインターネットを使わせてもらっていました。
お互い言葉が通じずオロオロしていると、図書館に来ていた地域のジジババたちも、どうしたどうした?と集まってきて、「おまえ、英語わかる?」「わかるわけないじゃん・・・」などと、様子を見ながら心配そうに私を取り囲みはじめましたw
逃げ場所がないと悟った私は、それまで習ったフランス語を脳の中でフル回転。
ようやく絞り出した仏語は、
Je voudrais utiliser le japonais... (日本語が使いたいのですが・・・)
その瞬間、周りに集まっていたジジババたちから「あぁ~!そういうこと!」と、感嘆の声が上がったものですw
(結局、PCで日本語は使えなかったのですが)
ケベックを色々旅行される方は多少でもフランス語をかじっておくと、こういった楽しい経験ができるかもしれませんよ!
そもそも発音が全然わからない
今いるケベック人の友人はフランスのフランス語も話せるので、私に合わせてくれれば仏語での会話は問題なくできます。
しかし、YouTubeなどで聞く日常会話でのケベコワの発音は、はっきり言って今でも90%以上わかりません。
たとえば、こんな対比がありました。
スタンダードな仏語 | ケベックの仏語 |
---|---|
je suis | chu |
il est | yé |
elle est | al’estまたは è |
こうして文字におこして対比してくれるならまだしも、耳で会話を聞いただけではわかりません(汗)
ちなみに、ケベック人とフランス人は、普通に会話できるようです。ま、考えてみればネイティブ同士ですしね・・・。
英語もそうですが、アクセントがある地域の英語は訓練しないと聞き取りが難しいですね。
フランス語の日常会話では困らないレベルの私ですが、ケベックを全部フランス語で旅行できる自信はないと、自信を持って言えますw
ケベックでは英語は好まれない?
上記の田舎町ではともかく、モントリオールやケベックシティなどの都市部ではとにかく英語で通していた私ですが、あまり良い顔をされないこともしばしば。
スーパーのレジなどで(仕方なく)英語で何かを聞いたりすると、心なしか若干冷たさを感じることもありました。
ただレジを通るだけでも、「Bonjour.」「Merci, au revoir」程度は、言えるようにしておくといいと思います。
北米やヨーロッパでは、日本と違い、スーパーのレジなどでもこういった簡単な挨拶をするのが普通です(無視はイケナイ)
州会議場やフェアモントのホテルなどの観光スポットではもちろん、世界の人が旅行で来ますから、英語でもまったく問題はありませんよ。
まとめ
私はただちょっと旅行して感じただけのケベックのフランス語ですから、住んでいる方からすればもっと発見があると思います。
今も「スタンダードなフランス語」をひたすら勉強している身としては、ケベックのフランス語を特別勉強しようという気はおきませんがw、YouTubeでケベック人がケベック語をフランスで話す動画などを見たりして楽しむこともありますよ。
機会があればまた是非遊びに行って、フランス語でのやり取りを楽しんでみたいですね!