ベルギーに行って驚いたフランス語3選

ベルギーに行って驚いたフランス語3選
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当サイトで紹介している「東外大言語モジュール」のフランス語講座の中にはありませんが、 ベルギーのフランス語というのも、微妙にフランスのフランス語と違って興味深いです。

ブリュッセルに住むイタリア人の友人(共通語:フランス語)を訪ねて、何度かベルギーに滞在したことがあります。

フランスのすぐ隣なのに、ベルギーではフランス語が微妙に違うので、色々と勉強になりました。

覚えやすい!?ベルギー仏語の数詞

フランス語の数詞は、70以上は一風変わった数え方で苦労している人も多いと思います。

なぜか突然、70以上は数え方が突如20進法になります。

フランスのフランス語の数詞

  • 70 ← 60 + 10 soixante-dix
  • 80 ← 4 x 20 quatre-vingts
  • 90 ← 4 x 20 + 10 quatre-vingts dix

といった感じです。私もいまだに、70以上の時は頭の中でそろばんをはじいたりしてます。

一方、ベルギーでの数の数え方は、フランス式ではなく普通の10進法です。

ベルギーのフランス語の数詞

  • 70 ← septante
  • 80 ← octante
  • 90 ← nonante

ブリュッセルで買い物をした際、金額で[90 nonante]を聞いた時は、何を言われているのか最初は理解できませんでした。

イタリア語ではこの数え方だからか、イタリア人の友人は

女性
友人

ベルギー式の数え方のほうが使いやすいよ!C'est plus facile!

と言っていましたが、フランスのフランス語に慣れてしまっていた私は逆に戸惑いましたね~。

Wikipedia情報では

Wikipediaによれば、中世のフランスでは20進法をすべての数詞に使っていたそう(たとえば30は「vingt-et-dix = 20+10」)。

それが徐々に30(trente)、40(quarante)などが出てきて廃れていき、60まではよかったのだけれどそれ以上の大きい数字は20進法のほうが数えやすくて残った、という説があるとか。

参考リンク
70 (nombre) | WikipediaLe nombre 70 (soixante-dix ou septante) est l'entier naturel qui suit 69 et qui précède 71.

ちなみに、スイスの一部の地方でもこの数え方だそうです(Wiki情報)。

フランスのフランス語使いとしては驚きですが、ベルギーに住んだらすぐに慣れるのだと思います。

トイレはひとつ?

よく言われているフランス語の違いがこれです。

フランスではお手洗いは「les toilettes」と複数形で言いますが、ベルギーでは「la toilette」(単数形)になります。

「トイレ」フランスとベルギーの違い

  • フランス:les toilettes
  • ベルギー:la toilette

フランスのお手洗いは汚いので、「フランス人は綺麗なトイレを探すためにいくつも開ける必要がある」という笑い話はよく聞きますね。

余談ですが、ベルギーのリエージュ(Liège)で、とあるレストランに行った時、お手洗いを借りたら「お手洗いを済ませたあとは手を洗いましょう!」とわざわざ注意書きが壁に張られていました。

リエージュのレストランのトイレの張り紙

私がフランスで一緒に住んでいたフランス人女子も、トイレの後は手を洗ってませんでしたし、ベルギー人もその辺は似たり寄ったり・・・?

でも良く見ると、この張り紙では「toilettes」で複数形ですね。謎です。

ベルギー人はせっかち?"15分前"の違い

さらに細かいですが、「○○時15分前」の言い方も、フランスとベルギーで違います。たとえば「2時15分前(つまり1時45分)」の場合はこうです。

「15分前」フランスとベルギーの違い

  • フランス: 2 heures moins le quart
  • ベルギー: 2 heures moins quart

イタリア人友が持っていたとある冊子(仏語)でこの違いに言及していましたが、

雑誌
とある冊子

ベルギー人はせっかちだから「le」を抜かすんじゃないか?

と解説されていました。ベルギー人のことは良く知らないので真相はわかりませんが・・・。

draft: false

ちなみに「○時15分」と言うときは、

「○時15分」の言い方

  • フランス: 2 heures et quart
  • ベルギー: 2 heures et quart

で、どちらにも「le」がつきません。

通常、フランス語学習者は、「15分前」には le がついて、「○時15分」には le はつかないという、理屈ではわからないこの違いに結構苦労したりします。

数詞もそうですが、ベルギーのフランコフォンの人たちは結構合理的にフランス語をリフォームしているような印象がしました。

yuko
yuko

ベルギーの仏語に触れてみると、不思議や不思議、これまで習っていた不規則で面倒臭いフランス語(数詞やmoins le quartなど)にも、なぜか愛着が沸いてくるんですよね~

ベルギーに行ったら、是非「フランスのフランス語との違い」にも注目してみてください!