カナダのケベック州は、フランス語圏として有名です。私はカナダへ旅行した時に、一度だけ行きました。フランス人も、ケベックに旅行する人も多いようで、私がケベックに行った時は、ワーホリ?で来ているフランス人や、フランス人旅行者によく会いました。

photo by Ana Paula Prada
私はフランス語をフランスで学び、日常生活は全く困らない程度にフランス語を話せるように現在はなりましたが、未だにケベックのフランス語はろくに聞き取れません^^;
ケベックのフランス語は、フランスから大量に移民した1600年代のフランス語が残っているとも言われているそうです。ちなみに、ケベックのフランス語はQuébécois(ケベコワ)とも呼ばれます。ケベック人のこともケベコワと言います。
が、また違った理由で、ケベックのフランス語はフランスのフランス語と異なります。
ケベコワ(ケベック人)は英語が好きではない!
「好きではない」というか、ずばり「嫌い」なのだと、私には感じられました。
ケベックに行った当時は、まだ仏語をろくに話せず「ボンジュール」が関の山でしたが、その後お店などの注文で英語をこちらが話すと、何だか店員さんの態度がちょっと冷たくなる感じも・・・。
都会ならまだしも、ちょっと小さい町に行くと、とたんに英語も通じなくなります。
ケベック州はカナダからの独立を求めて何度も住民投票をして、90年代には賛成49%・反対51%という結果にもなったりしているほど、「フレンチカナディアン」としてのアイデンティティが堅いようです。
この「英語圏からの強い独立心」が、ケベックのフランス語にも影響を与えています。
フランスにはないフランス語が生まれた
フランスのフランス語では、英語の単語をそのまま借用しているものがあります。
- week-end 週末
- hot-dog ホットドッグ
- e-mail eメール
などです。
これがケベックではどうなるのか・・・?
- fin de semaine 週の終わり?← week-end
- chien-chaud 熱い犬?← hot-dog
- courrier électronique 電子的な手紙?← e-mail
- bienvenue(merciへの返事) ← you’re welcome(どういたしまして)から取った?
つまり、英語を使いたくがないために、それを頑張ってフランス語に訳して使っているような印象すら受けます。
ケベック旅行中に出会ったフランコフォンのスイス人も、さすがに「chien-chaud(熱い犬)」には苦笑いをしていました。

photo by Parimal Satyal
「chien chaud」と打ってグーグル検索すると、ずばりホットドッグの写真が出ます。気になる方はお試しを・・・。
発音は???
東外大の言語モジュールでは、ケベックのフランス語も学ぶことが出来ます。
そこで改めてケベックの発音を聞いてみると、やっぱり私は聞き取りがしづらい。
Wikipediaの「ケベック・フランス語」の項を確認すると、発音もだいぶ違うようです。同じページのフランス語版「Français québécois」をチェックすると、もう少し深く紹介されています。
例えば、動詞êtreの発音はこう。
- Français standard: Je suis, tu es, il est, elle est, nous sommes, vous êtes, ils sont.
- Québécois oral: Chu (cht’ devant voyelle), t’es, yé, al’est ou è (prononcé [ɛ]), on est (prononcé [õne] ou [ɲe]), vous êtes, y sont.
出典:Français québécois – Wikipedia (仏語)
「Je suis」が 「chu」???・・・「t’es」はフランスでも使われているからまあいいとして、「il est 」が 「yé」、「elle est」が 「al’est」とは・・・
こりゃスタンダードのフランス語を学んだガイジンには難しいわけですわ・・・。
wikiによれば、ちなみに1人称複数のnousはケベックでは使われないそうです(3人称単数のonで代用。スタンダードのフランス語でも同じ意味ですが、nousも使う)。
フランスにいたときにケベック人にも会いましたが、フランス人とは普通に意思疎通をしていました。ま、ネイティブ同士ですしね・・・。ガイジンには難しかったです。
まとめ
Wikipediaの「ケベック・フランス語」は、なかなか面白くまとめられていましたので、興味があれば見てみて下さい。同じ「ケベック・フランス語」の仏語ページはもっと詳しいです。
これを読むと、文法も微妙に違うことがわかります。聞いたこともないフランス語が色々と・・・。フランス語も奥が深いですなぁ。