はてさて、上級にさしかかる仏語学習者の皆様は、この疑問をお持ちなのではないでしょうか・・・。私もその一人でございます。
これまで、imparfait(半過去形)を覚え、conditionnel(条件法)を覚え、subjonctif(接続法)を覚え、もういいだろうと。もうたくさんじゃないかと。
私はフランスの語学学校の上級クラスに3ヶ月いましたが、単純過去形は活用のプリントが配られただけで、テストに出されたり暗記テストをされたりはしませんでした。
※ちなみにsubjonctif(接続法)の活用は、中級クラスでビシバシ叩きこまれました。
仏検では出題されないもよう?
色々な人のブログを拝見すると、どうも仏検にはpassé simple(単純過去形)は出題されないとの話です。
フランス人も学校でpassé simple(単純過去形)を学ばないと、「仏検準1級・2級必須単語集」のエッセイにもありました(実際は存じませんが・・・)。あまり一般的な活用でないことは、確かなようです。
そもそも、passé simple(単純過去形)とは何か
私が愛用中の仏語文法書「grammaire expliquée du français(←紹介ページに飛びます)」にも、解説があります。
これに書かれていることをざっくりとまとめてみますと、「単純過去形」とは、
- 文語に残っている時制だが、消えゆく活用ではない。
- 「現在と繋がっていない過去」を示す:過去の出来事を遠くから見て語るような場合に使われるため、3人称で使われることが多い。
という感じです。歴史上の出来事を表した文章などには、確かに頻繁に見られます。
まとめ:とりあえず、頭の片隅には入れておく
自分で実際にpassé simple(単純過去形)を使って文章を書く機会というのは、仏語学習者としては確かにあまりないかもしれませんが、「こういう時制もある」ということで、頭の片隅にêtreの活用と、3人称単数の語尾が(基本的に)aで終わることくらいは、覚えておいても損はないと思います。
仏検には出なくても、Le Figaroや仏語の旅行ガイドブックを読んだりすると、passé simple(単純過去形)が出てくることは割と普通にあります。
私も活用こそ暗記していませんが、出てきた動詞がpassé simple(単純過去形)だとわかるだけでも、辞書をひく面倒がなくなって良いというものです。
それに、ネイティブに近づくためには、ある意味避けては通れない文法でもあります。「仏検に出ないからやらなくていい」というのでは、仏検のためだけに勉強していることになってしまいかねません。
それにしても、接続法や単純過去形を見ていると、フランス語という言語は、色々な場面のイメージをこと細かに分けて考えるのだなぁ、という感じもします。面白いですね。