読んで損なし!「フランス語らしく書く-仏作文の考え方」

数ヶ月前に購入して、ぱらぱらっと読んだ後殆ど開いていなかった白水社の「フランス語らしく書く―仏作文の考え方」・・・時間が出来た移動中などに、少しずつ読んだりして、ようやく読み終わりました。

最初は「文章がなんだか読みづらいなぁ」なんて思っていましたが、だんだん読むのが楽しくなってきて、後半は一気に読めました。

フランス語らしく書く

現在仏作文の練習は特にしておりませんが(日々の仕事メールや友達にメールするときのみ)、注意するべき点ばかりで、これからはフランス語を書くときに大変に気が引き締まります。語学学校でも仏作文のテストなどはよくありましたが、「授業を受ける前にこれ読んどきたかったー!」です。

読んだからと言って、いきなり仏作文がうまくなることはないと思います。と言うより、どの言語でもそんな都合のいい教材はありえません。語学学習は自分の努力の継続のみです。

この本を読むことにより、フランス語という言語が日本語とどう違うかを明確に理解し、著者が日本人が陥りやすいと指摘してくれている注意点を意識して仏作文を重ねていくことで、ネイティブのフランス語に近づいていけるのだと思います。

本は、和文仏訳の第1部(故・松原秀治氏・父)と、フランス語とはどのような言語かを言語学的にも解説を取り入れた第2部(松原秀一氏・長男)の、二部構成です。

第1部「作文の考え方」は、自分で例文を仏訳してみてから臨むべし

ここでは、いくつかの和文を仏訳してみることで、フランス語が日本語と何が違うか、何を気をつけるべきかを学びます。

全部で56もの例文がありますが、何となく読んでみるより、まずは「目次」のページに書かれている和文を見て、自分でそれに相当するように仏訳してから臨むと、以後の解説がより腑に落ちるものになります。

フランス語らしく書く 目次のページ

仏作文の前半は、初級レベルでも十分できる内容です。接続法は後半に少し出てきます。

尚、時代的なものだと思われますが、1902年生まれという著者は仏文にpassé simple(単純過去)を多用しています。ここらへんは、気にせずpassé composé(複合過去)もしくはimparfait(単純過去)どちらか相応しいほうで置き換えても大丈夫だと思います。

ちなみに、私自身はpassé simple(単純過去)は、その存在は認知しているものの、わざわざ活用を憶えようとしたことはありませんし、フランス人が日常で使っているところにも遭遇したことがありません。語学学校の上級クラスでもさらっとしか学びませんでした。フランス語のガイドブックなどを読むと、歴史的な事柄にはよくpassé simple(単純過去)が使われています。

第2部「フランス語の考え方」・・・かなりの読み応え!

この第2部は、私的にこの本の一番の目玉でした。

ここでは「フランス語とは、言語学的にいかなる言語なのか、そして日本語はどんな言語か、それ故に仏作文で気をつけるべき点は何か」という、大きなテーマに基づいて、様々な資料を参考にしながら解説してくれています。

私は大学は希望の理系の学部に進みましたが、受験生の時の第二志望は「言語学」だったので、大変興味深く読みました。

類語辞典や仏仏辞典のオススメもたくさん挙げてくれています。私が当サイトでオススメしている「Le Robert Micro」の名前も挙がっていたので、ちょっと嬉しかったです。ちなみに、「Robert Micro」は、こちらも仏語学習者上級者向けの「Petit Robert」を小さくしたものだそう。「Petit Robert」はカシオのフランス語電子辞書にも入っています(ああ・・がんばれセイコー・・・)。

接続法の解説などは、もはや超上級者向けとも思えるマニアックさで、私は全てにはついていけませんでしたが(接続法大過去などは、語学学校の上級クラスでもやりませんでした)、接続法というものがどのような考え方に基づき、どのようなニュアンスを与えるものか、練習問題も含め接続法なるものを理解するのに非常にためになりました。

まとめ

2,730円と、本の厚みに比べるとお気軽な価格ではありませんが、最後には「あれ?この本こんなに薄かったっけ?」と思えるくらいの濃い内容です。フランス語の参考書で、ここまで掘り下げたユニークな本は、なかなかないのではないでしょうか。

フランス語は日本語とは全く懸け離れた言語であり、日本語話者がいかにネイティブに近いフランス語を書くことが出来るか。英語ともドイツ語ともイタリア語とも、フランス語は考え方が違うそうです。フランス語の域を超えた著者の広い知識には、本当に平伏します。フランス語学習者ならば初級段階からレベルに合わせて少しずつでも読んでいってもいい、非常に濃い内容です。

読み物として気軽に読んでみてもいいと思います。

フランス語らしく書く―仏作文の考え方

  • 白水社
  • 著者 松原 秀治, 松原 秀一
  • 価格 ¥ 2,730
  • 発売日 1995/04

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